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面会・交流にあたって注意したいこと

子どもと別居親との面会をよりよいものにする最大の鍵は、両親の協力体制です。

離婚に至ったふたりの間には、互いへの憎しみや怒りなど、乗り越えられない感情が横たわっている場合もあり、とても協力などできないと感じられるかもしれません。しかしここで求められるのは愛情に基づいた協力ではなく、子どもの幸せという共通の目標に向けた、あくまでも「ビジネスライク」な協力体制です。

  • 約束の時間やルールは厳守する。
  • 直接・間接に知りえた相手の言動に対し、感情的に反応しない。
  • 互いの立場や考えを思いやるよう努力する。
  • 互いの育児方針を尊重し、できるだけ共通の方針を築いて協力する。

このように両親がお互いに協力することは面会・交流を安定して継続するためには不可欠です。

また、面会を始めるにあたっては以下のようなことがらにおいて具体的なルールを作り、確認しあうことが大切です。

  • 誕生日やクリスマス、お正月、入園入学などのお祝いやプレゼントのやりとり
  • 夏休み、冬休みなどの長期休暇の過ごし方
  • 運動会、参観日、発表会などの行事への別居親の出席の仕方
  • 祖父母や新しいパートナーなど、別居親以外の面会同行

こうした事項は、とくにトラブルの種になりやすいので、決定内容を文書で残しておくのが望ましいでしょう。

その他、注意が必要な点を挙げてみます。

◆子どもをメッセンジャーにしない

「養育費の支払いが遅れます」

「(あなたからの)子どもへのプレゼントはいっさい受け取りません」

一方の親から、こうしたメッセージを他方の親に伝えるように言われることが、子どもにとっていかに負担が大きいか、想像してみてください。

必要なルールは面会前に決めて、大人の問題に子どもを巻き込まないようにしましょう。 

面会にあたって伝えなくてはならないこと、たとえば「食後に薬を飲ませてください」「風邪気味なので、冷たいものは控えるように」といった注意事項は両親が直接伝え合う、もしくはVi-Projectを利用している際は面会前にVi-Projectのスタッフに伝えるようにしましょう。

◆子どもをスパイにしない

相手の生活の様子を子どもから探ろうとするのもよくありません。

尋ねられた子どもは返答にとまどい、裏切り行為を求められていると感じる場合もあります。 そして罪の意識にさいなまれたり、どちらか一方の親しか愛してはいけないように感じたりしてしまいます。

「あっちではどのように過ごした?」「毎日朝ごはんはちゃんと食べている?」など、親が子どもたちの生活に関心をもって尋ねるのは当然のことです。

けれども、もしその関心が子ども自身ではなく、別れた相手に向けられたものならば、子どもはそれを見抜くでしょう。

そして、怒りを感じたり、自分は利用されていると感じたりするかもしれません。

◆相手への悪口を子どもに聞かせない

子どもの前で相手(もう一方の親や祖父母)を攻撃したり蔑んだりする人もいます。相手を悪く言うことで、自分をよく見せようとする場合もあるかもしれません。

しかし、親がもう一方の親の悪口を言うと、子どもは自分も責められているように感じることがあるのです。

◆子どもの成長にしたがい、面会・交流は内容や頻度が変化することを理解しておく

多くの場合、子どもにとって面会は「外出」になります。

子どもが面会を楽しむには、それぞれの発達段階に応じた場所や内容であることが大切です。

また、面会を継続するにつれて、行き先や面会内容について子どもからリクエストが出る場合もあります。

子どもの成長や面会時間の長さ・期間に合わせ、その内容や頻度、ルールは適宜見直しましょう。

◆子どもの気持ちを理解し、寄り添う

面会の前後、子どもの気持ちは大なり小なり不安定になるものです。

次の面会を楽しみにしているときも、実際に面会を楽しんできたときも、それは同じです。

子どもたちは、両親が互いに抱いている反感や微妙な感情を鋭く感じとります。

また、自分が面会することで同居親が悲しむのではないかと罪悪感をもったり、久しぶりに会う別居親とのやりとりに不安や緊張を覚えたりする子どももいるでしょう。

両親はそんな子どもの気持ちを思いやり、適切に準備・対応しなければなりません。

とくに、会えずにいた期間が長いと、子どもにとって面会は「非日常」となるため、慣れるまでには時間と関わりの積み重ねが必要です。

子どもの様子の短期的な変化で判断せず、「非日常」が「日常」になり、面会を継続していけるよう、子どもをサポートしていきましょう。

どちらの親も、面会を「よいことだ」と感じていると子どもに伝え、安心して子どもが面会を楽しめるように配慮してあげたいものです。

◆自分自身のケアを継続する

子どもとの関係を豊かなものにするためにも、自分自身の身体的・精神的健康に注意し、自分にあった方法で感情を整理してストレスをマネジメントしましょう。

Vi-Projectとは

Vi-Project(ビー・プロジェクト)は、離婚によって子どもたちと両親とのつながりが断絶されることなく、良好な関係を築いていくための面会・交流支援サービスの提供を目指して設立されました。